今、民主党小沢幹事長の政治資金のことがどうなっているのか問われています。その真偽はさておき、政治資金について、政治資金規正法に基づき、平成21年度より、政党、政治資金団体等の政治団体に対して、登録政治資金監査人による政治資金監査制度が導入されます。監査といいますと、一般的には、監査の専門家が政治資金に流れがどのようになっているかチェックするので、政治資金の流れの透明性が確保されると思われている方が多いと思います。ところが、この政治資金監査は、監査の実態とはかけ離れたものであると感じられます。この監査というものは、おもに領収書等の証憑書類のチェック、会計担当者へのヒアリングを中心におこなわれるものであり、監査の専門家である公認会計士の立場から私見を申し上げますと、この政治資金監査は、監査といえるものではありません。監査という限り、大きな不正はなく、政治資金の報告書がおおむね正しいといえるものでなければいけません。領収書等の証憑チェック、会計担当者へヒアリングするだけでは、監査とはいえません。例えば、領収書がすべて政治資金監査人に提出されない場合は、領収書等の証憑チェック、会計担当者へヒアリングだけでは発見できません。監査等いう限り、監査とはなにか、その技法（領収書等の証憑チェック、会計担当者へヒアリング等以外の監査技法）をマスターしているもの、つまり、公認会計士でなければ政治資金監査はできないと思います。この政治資金監査は、公認会計士以外のもの、例えば、税理士等が行うことも認められています。私はこれでいいのかと考えています。世間の人々は、今後政治資金について、監査があるから、透明性が確保されるであろうと期待しています。しかし、監査の専門家である公認会計士からみると、この政治資金監査は不充分な内容であり、世間の期待にこたえられないのではと感じます。 皆様、どう思われますか。
