起業し、法人化に伴い株式会社を設立する場合、株主総会と取締役は必ず設置しなければならないとし、その他の機関は任意としています。
監査役についてもどうするか任意であります。
監査役は、株式会社のガバナンスの向上をはかるため、取締役を監督する機関として設置することができます。
監査役を設置しない場合、人材確保の点では苦労はありません。
特に、中小の同族会社の場合、人材確保が困難な場合が多々あります。
しかし、監査役による取締役の業務執行に関する監督是正に期待できないことから、会社法は監査役を置かない場合は株主の監督是正機能を大幅に強化しています。
①株主は、裁判所の許可なく取締役会の議事録を閲覧することができます。
②株主は、所定の場合は、取締役会の招集を請求し、ないしは自ら取締役会を招集することができます。
③株主は、自己の請求または招集によって開催された取締役会に出席して意見を述べることができます。
④定款に基づく取締役の過半数の同意による取締役等の責任の一部免除制度は適用されません。
⑤取締役は株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、監査役ではなく、直接株主に報告しなければなりません。
⑥株主による取締役の違法行為差し止め請求権の行使の要件を緩和しています。
株主の監督是正機能が大幅に強化されていることによって、株主から経営に対する直接的な干渉の余地が大きくなるという意味において、経営陣にとってはデメリットになるでしょう。
皆様、いかがでしょうか。疑問点、具体的にどのようになるか等のご質問については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。