近年、マンションの構造上の瑕疵により一部が傾いたりして被害が発生することに対して、住人に支払われる金員が所得として課税されるかということが問題になっています。
所得税法では、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得する損害賠償金については、課税しない非課税所得であると定められています。
マンション瑕疵問題によって取得する解決金がこれに該当するかどうかであります。
裁判例を紹介します。
「心身又は資産に加えられた損害につき支払いを受ける相当の見舞金」であれば、所得税法施行令の定めにより、非課税の所得になります。
このケースの場合、マンション分譲会社が全面的にその後の改装を行い、仮移転先に居住したことに伴う実費も負担していたので、精神的苦痛があったしても、すでに補填されていると考えられると裁判所は判断しました。
この解決金の支払いにおいて、マンション分譲会社は瑕疵担保責任は負わない(管理組合の大規模補修工事に基因するもの)という合意があたことから、この解決金は、法的瑕疵担保責任に基づく損害賠償j金ではなく、非課税所得にならないと判断されたことがポイントです。
金額的に、資産に加えられた損害につき支払いを受ける相当の見舞金ではないと判断されていますので、 金額的妥当性も検討されます。
それゆえ、所得税でいう一時所得として、地裁、高裁で判決がありました。
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