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株式上場が、投資家の資金回収の場になり、企業の資金調達できていないがいいのか?

2019年11月5日

2019年1月~9月までに新規上場した50社のうち4割の20社が、既存株主が株式市場売り出す株式数が、株式市場で新たに発行する株式数、いわゆる公募増資より多いということが、日本経済新聞で報じられました。
つまり、既存株主である、経営陣やベンチャーキャピタルが株式を売却し、投資資金を回収するための株式売却数が、会社が資金を新たに調達するために発行する株式数より多いという現象であります.

これでは、事業成長のための必要な資金調達の場として、株式市場が機能していないということであり、IPO市場の意義が問われると記載しています。
しかしながら、ベンチャーキャピタル等の投資かや経営陣は会社の事業を成功させて当該企業に投資し、そのリターンとして、株式上場により投資した株式の売却にとるキャピタルゲインであります。
このキャピタルゲインという魅力がなければ、ベンチャーキャピタル等の投資家は投資をおこないません。
投資が行われなければ、企業は資金調達の方法が狭められ、資金調達ができなくなり、新しいビジネスが発展せず、経済の活性化につながらないということにもなりかねません。
また、ビジネスによっては、株式上場前の創業初期に多額の資金が必要となりますが、軌道に乗ると、多額の資金は不要というビジネスもあります。
このような会社は、株式上場により多額の資金は必要としません。

また、株式上場は、資金調達のみならず、社会的信用の付与、知名度の向上、人材獲得の容易さ、様々なビジネス情報の入手しやすさ等の機能を提供します。

それゆえ、株式市場が多額の資金調達の場になっていないという理由のみで、株式市場の意義が問われるという考えについては、慎重に検討する必要があると考えます。

皆様いかがでしょうか。当事務所はベンチャーキャピタル出身の公認会計士・税理士であります。
株式上場に関する経験が豊富であります。
疑問点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。