不動産業を営む個人事業主が、所有する不動産を貸し付けている借主に、資金を貸付たが、借主が自己破産した場合、その貸付金を回収できないことから、貸倒損失として、不動産所得の必要経費にすることがみとめられるかですが。
事業の遂行上生じた貸付した貸付金が貸倒になった場合、必要経費に算入することができますが、認められるためには、一般的に必要であると客観的に認めらるもの、不動産事業収入との間に相当な因果関係の認められる貸付金でなくてはいけません。
そのためには、①貸金業を営んでいること、②毎月の賃貸料に比して多額な貸付金、無利息、無担保でないことでなければ、事業に必要な一般的な貸付金であるとは認められません。
このような場合、事業の遂行上、通常の必要な行為としては認められず、単に営業資金を援助することを目的としてなされたものであって、不動産賃貸に係る事業収入との間に相当な因果関係があるとは認められません。
そうすると、このような貸付金は不動産所得を生じるべき事業の遂行上生じた貸付金に該当しないことから、これが貸倒になったとしても、その貸し倒れによる損失の金額は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できないというべきでしょう。
自己の製品の販売強化、合理化のために下請け先等に貸し付ける貸付金が貸倒となった場合の貸倒損失は、事業所得の計算上、必要経緯と認められますが、これとは異なります。
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