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起業、会社設立・・・役員の選任は大事なことであり、解任は容易にできない。損害賠償責任負うことも

2021年5月17日

株式会社には、どのような機関設計であれ、取締役の選任は必要であり、その選任及び解任権限を有するのは、株主総会であります。
会社法では、株主総会の決議によって、役員をいつでも解任することができますと、定められています。
この決議は、原則、普通決議(監査役の解任の場合は特別決議)となります。
解任の理由は問われませんので、議決権の過半数を持っている大株主の意向で、解任することが可能です。

ただし、このときは注意が必要です。
解任された取締役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、会社に対し、損害賠償を請求することができるからです。(会社法339条②)
未上場会社の場合、取締役は業務執行を兼ねていることがほとんどです。
このとき、例えば、その取締役の営業成績が悪いという理由は、正当な理由になりません。
会社と役員の関係は委任ですから、損害は、一般的に、その役員の解任後から任期満了までの報酬になります。
すると、損害額の多寡はその取締役の残存任期の長短に大きく影響してきます。
未上場会社の場合には、定款によって、最長10年までとすることができます。
登記費用を節約するために、取締役の任期を10年に伸ばしたとします。
ところが、正当な理由なく役員を解任した場合には、会社はその役員から、任期満了までの期間の損害賠償を受けるおそれがあることに留意する必要があります。

皆様、いかがでしょうか。疑問点、具体的にどのようになるか等のご質問については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。