相続対策の一環として、不動産管理会社である同族法人を活用することがあります。
個人所有の収益物件を同族法人である不動産管理会社へ売却し、土地所有者である個人と同族会社との間で、「土地の無償返還に関する届出書」を連名で提出し、法人の借地権の認定課税を回避し、個人は、相続時に貸宅地として20%の評価減を行うというものです。
さて、相続が発生したものとします。
相続対象となる不動産管理会社の株価を算定する場合ですが、20%個人で減額されたことに伴い、法人は20%を借地権相当額として加算しなければいけないと思われることが少なくありません。
法人に対して、借地権を無償で返還することを約束していたとしても、民法上の借地権は存在し、土地所有者は当該土地の使用収益が制約されますので、80%に相当する額として評価することとなっています。
借地権として20%加算するのは、被相続人が土地所有者であり、かつ、株式所有者の場合に限るとなっています。
被相続人である個人は、同族法人を通じて、当該土地を自由に使用収益することができるので、土地の評価額は、個人と法人を合算して100%とすることが課税上公平であるというものです。
自由に使用収益できない場合は、合算して100%として評価するのは、いかがなものかということもあります。
相続時の株式評価にあたり、借地権の評価にはご留意ください。
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