ある人が生活をするにあたり、十分な給与所得がありながら、趣味の延長といえるようなサイドビジネス等を展開し損失が発生した場合、当該損失を給与所得から控除して所得税を節減できるか争われた事例があります。
当該損失は、事業所得であれば、給与所得と相殺できますが、事業といえず雑所得扱いならば、給与所得と相殺できず、税負担に差額が生じます。
事業所得といえるかどうかは、経済活動の営利性、有償性の有無、継続性、反復性の有無のほか、自己の危険と計画による企画遂行性の有無、当該経済活動に費やした精神的、肉体的労力の程度、人的、物的設備の有無、当該経済的行為をなす資金の調達方法、その他の職業、経歴、社会的地位及び生活状況並びに当該経済活動をすることにより相当程度の期間継続して安定した収益をえられる可能性が存するかどうか等の諸般の事情を総合的に検討して、社会通念に照らして判断すべきあると、判例でしめされています。
このケースでは、有償性、継続性、自己の危険と企画遂行性有し、物的設備を整え、相当の精神的、肉体的労力を費やして行っているが、多くの給与所得を得て、そこからの資金と資産から当該事業の資金調達をしていおり、収益もほとんどなく、今後も相当程度安定した収益が得られる見込みもないことから、営利目的といえず、客観的に業務といえないとして、事業所得でないとされ、当該損失は、給与所得と相殺し、所得税を節減することは認められないとされています。
会社員等の人が、副業される場合、発生した損失が事業所得でなく、給与所得と相殺できないことも充分考えられますので、副業される場合、専門家とご相談ください。
皆様、いかがでしょうか。疑問点、具体的にどのようになるか等のご質問については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。