外国為替証拠金取引の取扱業者らの不法行為による裁判上の和解金は課税される所得になるかかどうかです。
所得税法では、損害賠償金を非課税所得と規定していますが、その趣旨は、他人の行為によって被る損害を補てんし、損害のないものと同じ状態にすることを目的としています。
賠償の対象となる損害には種々のものが含まれているため、すべてを一律に非課税とならず、「心身に加えられた損害または突発的な事故により資産に加えられた損害に起因して取得するもの」を例示したうえで、非課税となるもの定めています。
名目が損害賠償金でああても、実損害額を超えた補てんある場合は、非課税所得となりません。
FX取引において、取扱業者としての説明義務を十分に果たさず、取引者は十分な知識を持たないまま、短期間に多額の取引を重ねて損失が拡大しているこちを顧みず、取引を継続させたことは、取引業者の説明義務違反にあたります。
そうなると、このような賠償金は売買損益を補てんする性質ではなく、取引者の判断を誤らせ、そのことが資産である預託証拠金の一部を失うことにつながり、取引者に実損害を被らせたものであるというべきであり、取扱業者らの不法行為による取引者の資産に損害が加えられたと認め、非課税所得であるという裁判結果になった判例があります。
皆様、いかがでしょうか。疑問点、具体的にどのようになるか等のご質問については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。