製造業において、製造コスト管理の面から、標準原価を定めることは有意義であります。
標準原価を定めることは、おおむね下記の4つの目的があります。
第1はいうまでもなく、原価管理を効果的に行うことです。
ただし、お小遣い管理のように、ただ目標に近づけよというのではありません。
実際の原価を標準と比較し、差異の原因を分析することにより原価管理を行います。
つまり、目標とすべき標準原価は、管理者が勝手に立てた目標や、現実に達成不可能な理想ではないということです。
第2、第3には、月次決算での売上原価の計算や、来期の予算編成の基礎数字として標準原価が使えます。
最も大事にしたいのは第4の目的です。
意外なことに、決算書を作るための数字としても標準原価が使えます。
標準原価計算は、標準原価こそが「真実の原価」決算に使う原価です。
それゆえ、標準原価で決算書を作ることができ、しかもそれによって記帳が簡略化、迅速化します。
このことから標準原価計算は、実際原価計算とともに原価計算制度をつくる原価計算の1つになっています。
皆様いかがですか。厳しい企業間競争に耐えるには、実際原価を正確に把握して、目標原価と対比し、どのようになっているかという原価管理・原価計算が必要不可欠であります。
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