現金で売上の対価を受領し、これを会計帳簿に記載もれた場合、重加算税になるのか争われた事例があります。
重加算税の要件に、国税通則法で「隠ぺい」ということが定められています。
これが、隠ぺいにあたるのかがポイントになります。
この事例では、会社が事務所の窓口で受領した売上代金等については会社のの従業員が、入金帳に記載しており、本件売上げについても、本件入金帳の「年月日」欄に「平成xx年xx月xx日」、「科目」欄に「■■■■」、「摘要」欄に「登記業務」、収入金額」欄に「500,000・現金」と記載がありました。
この入金伝票作成していたが、売上伝票記載しなかったため、総勘定元帳に反映されず売上計上漏れとなりました。
しかしながら、この現金の所在は不明であり、会社の担当役員は、小遣い程度の金額なので使ったかもしれないと、税務調査時に応えています。
課税当局は、使ったかもしれないということをもって、隠ぺいにあたり、重加算税になると主張しました。
国税不服審判所は、「隠ぺい」とは、納税者がその意思に基づいて、課税標準等の計算の基礎となる特定の事実を隠匿しあるいは故意に脱漏することをいうものであるが、この事例では、会社側は本件売上げに係る入金の事実を、入金帳に記録したものの、売上計上失念した、事務処理ミスというのも否定できないことから、「隠ぺい」にあたらず、重加算税課せられない、隠ぺいがあったということは、税務当局から立証すべきであります。
それゆえ、これだけでは、重加算税になりません。
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