税務調査で問題となるのは、相続税基準年度の役員退職金の損金算入です。相続税スキームの教示どおり、退職金を支給して法人所得を少なくし、株価評価を下げている場合です。
法人税基本通達9-2-23(役員の分掌変更等の場合の退職給与)では、役員退職金の損金算入が認められる場合の例示をしています。
問題は、「分掌変更にかかる給与が激減(おおむね50%以上の減少)したこと」の適用です。
オーナー株主であった社長が、平取締役になって給与を50%以上減額した場合、役員退職金を損金算入できるのか、ということです。
同通達逐次解説によると、「ただし、同族会社等の悪用が考えられるので、実質経営者やオーナー株主については適用しないこととし、課税上の弊害を防ぐこととしている」と解説されています。
この解説は、法人税法施行令第71条1項第5号の規定から、同族株主は、実質経営者との判断からきています。
税務調査のポイントは、役員退職金決定の取締役会や株主総会の議事録・過大役員給与やそれに同族株主等の例外規定に該当していないかを確認することです。
また、非常勤役員についても、勤務実態や支給形態から架空役員給与と認定されるケースもありますので、形式だけでなく勤務実績まで確認することが適切であります。
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