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経済が持続的に成長するために必要な設備投資の回復は本物か

2010年4月7日

先頃発表された21年10月から12月期のGDP(国内総生産)の速報値によれば。前年比率3.8%のプラスとなりました。内訳をみると、輸出の好調、個人消費も政策効果で堅調な伸びを示しているが、注目されるのは、20年1月から3月期以来7四半期ぶりに3.85増加した民間設備投資であります。

持続的かつ自律的に経済成長するには設備投資の回復が必要でありますが、本格的に回復したといえるかどうかはまだ不透明であります。企業は、雇用、設備、負債の面で過剰ストックを抱えたままで、本格的に設備投資に踏み切れる状況ではありません。財務省の「法人企業統計」では、企業の売上高人件費比率(09年10から12月 13.3% 景気回復期ピーク19年度 12.5% バブル崩壊後ボトム 13年度14.4%)、有形固定資産回転率(09年10から12月 3.06回 景気回復期ピーク19年度 3.63回 バブル崩壊後ボトム 13年度2.88回)、有利子負債比率の最近のデータ(09年10から12月 36.2% 景気回復期ピーク19年度 29.1% バブル崩壊後ボトム 7年度43.2%)であります。みての通り、有形固定資産回転率は、3.06回とボトムの2.88回とほとんど変わらなく、資産効率の低さを示しています。雇用負担を示す人件費比率も、13.3%とバブル崩壊のボトムを下回っているものの、前回景気ピーク時の12.5%を上回っており、雇用の面からも人件費負担が重いことを示しています。有利子負債比率も36.2%と前回景気ピーク時の29.1%を7ポイントあまりも上回っており、債務過剰の状況を示しています。財務面からも、ヒト、モノ、カネが過剰であることを示しています。

それゆえ、、売上高の回復が芳しくないと、上記の各種指標は善されません。企業は設備投資どころか、生き残りを賭けて、リストラを再度実施する必要に迫られるかもしれません。それだけではなく、昨今のデフレで販売単価下落し、売上の数量増加でカバーできないと、リストラの強化につながりかねません。

皆様、数値は感覚ではなく、明確に事実を示します。このような外部の経済環境をも意識した、経営計画、予算管理が必要ではないでしょうか。疑問点等のご意見ございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせくださいますようお願いします。

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