2010年度税制改正では、清算所得課税制度が廃止されました。改正前は、会社が解散した後は、通常の所得(「益金」-「損金」)ではなく、「残余財産の価額(時価)」からその解散時における税務上の「資本金等の額と利益積立金額」との合計額を控除した「清算所得金額」に対して課税されていました。改正後は、通常の所得課税方式に移行します。つまり、通常の事業年度と同様に「収益」から「費用」を控除した「所得金額」に対して課税されます。、解散前と後で所得計算の方法が変わらなくなっても、法人の性格が変わることから「みなし事業年度」は従来どおり設けられます。
債務超過にある企業が、解散した場合に、税負担が、改正前よりも不利にならないように配慮もされています。解散時に実質的な債務超過の会社が清算する場合、これまでの財産課税方式では、仮に債務免除益が生じても清算所得は生じないが、所得課税では、債務免除を受けた場合にはその債務免除益に課税されてしまいます。それを防ぐために、期限きれの繰越欠損金(税負担軽減させる)の使用を、一定の要件で認められるようになっています。具体的には、解散した場合において実質的に債務超過であることを前提に、清算事業年度において期限切れ欠損金の利用を認めます。その場合、使途制限を設けず、資産の譲渡益が発生した場合にも利用が認められます。適用期日は平成22年10月1日からであります。
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