資本金とは、会社に規模を示す1つの指標であります。資本金は小さいより大きいほうが財務基盤が強いと考えられます。このことを勘案してか、法人税、消費税においては、資本金が小さい会社は大きい会社に比べて優遇されている面があります。
①法人税率 資本金1億円以下の法人で年間所得金額が800万円以下の部分に対する税率は22%です。(現在は時限措置で18%)
②交際費の損金算入限度額 交際費の損金算入限度額は、①期末資本金1億円以下の場合は、年間400万円(現在は時限措置で600万円)但し、10%部分は課税、②期末資本金1億円超の場合は、ゼロです。
③設備投資減税 資本金1億円以下の法人で一定の要件を満たすものは、①取得価額30万円未満の少額減価償却資産については年間300万円まで取得時に全額損金(原則、資産計上の上減価償却)②一定の機械装置及び器具備品、ソフトウエア、大型貨物自動車等の取得には、取得価額の30%の特別償却又は取得価額7%の税額控除が適用できます。
④貸倒引当金の繰入限度額 貸倒引当金は、原則、過去3年間に貸倒の実績がなければ繰入れることができませんが、資本金の額が1億円以下の法人の場合、法定繰入率による繰入れが可能です。
⑤消費税の納税義務 資本金の額1,000万円未満の法人は、設立当初の2年間は納税義務が免除されます。
⑥同族会社の留保金課税 資本金が1億円超の場合は、特定の同族会社に対して、利益を配当当で流出しないで、内部留保した場合、その内部留保金額について、ある一定の計算式で算出した金額を超えた場合、その超えた部分について追加的に課税されますが、資本金1億円以下の場合はこの留保金課税は適用されません。
上記のように、資本金が小さいと優遇されることもあります。資本金を大きくすれば、税負担が増大するデメリットもございます。将来の事業規模拡大のための経営計画に基づく規模拡大を検討するときは、税務面をも意識する必要がございます。当事務所は税理士・公認会計士して税務顧問ができるとともに、ベンチャーキャピタルでの企業育成コンサルティングの経験を活かしたすことによって、適格な経営相談・支援ができるという、双方の強みを活かして、ご支援できますのでご安心ください。