自治体や企業の不祥事を受けて外部有識者で設置する「第三者委員会」の運用について、日本弁護士連合会が今春にもガイドラインを策定するようである。弁護士、公認会計士が委員になることが多いが、調査結果がお手盛りで、事実に即していなかったり、公表されない事例もあるようです。第三者委員会の設置は増えてきています。複数の弁護士、公認会計士、大学教授らで構成し、原因究明、経営責任や再発防止の提言を行うのが一般的であります。最近では、JR西日本の尼崎での福知山線脱線事故の調査報告書,NHK記者らによるインサイダー取引事件などで発足しています。
しかし、中には第三者と言い難い顧問弁護士や会社幹部に近い方が参加し、第三者といえるのか疑問をもつような委員会や、十分な協力が得られないとして、事実確認に至らないケースも多々あるようであります。報告書も経営責任に触れなかったり、調査結果を公表しない委員会もあるようであります。
証券等取引等監視委員会は、昨年、不正会計を巡る企業の第三者委員会が、調査報告書に虚偽を記載したケースが相次いだことを重視し、日本弁護士連合会に協力を働きかjけました。日本弁護士連合会は、「第三者委員会が隠れみのとなり、再発防止の対応が形骸化する可能性が高い」として、ガイドラインの策定することを決めました。
ガイドラインとしては、①調査対象の自治体や企業から独立性を保つ②報告書は原則公開とし説明責任を果たす③調査方針を明確にし、組織の体質に踏み込む等が盛り込まれるようである。第三者委員会が機能しなければ、企業モラルが崩壊し、結果として、日本経済が衰退していくことも考えられるものであります。日本弁護士連合会のガイドライン制定、そして、これが順守されることに大いに期待したいものであります。
一方、このような不祥事を防ぐことが、重要でもあります。そのためには、不祥事が行われないような仕組みづくりが必要であります。当事務所は、不祥事を防ぎ、これにより大きな損失の発生、今後の業績に影響及ぼすような企業イメージの低下を防ぐための、業務の仕組み改善するための支援をも行っています。ご質問等、ございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。