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妻の老後の面倒を見なければいけないという遺言書は効力あるか(相続)

2020年10月26日

法律上、遺言することができる事項は限定されています。
老後の面倒をだれがみるかは、法定遺言事項ではありませんので、、遺言書に記載しても効力はありません。
法定記載事項以外のことを記載してはいけないことはありませんので、遺言者の気持ちを伝えることはできますが。

では、どう対応するかですが。
負担付遺贈にすれば、面倒みるということに強制性をもたせることができます
負担付遺贈とは、相続財産を受け取るもの(受贈者)に一定の法律上の義務を課す遺贈のことです。
例えば、妻の面倒を見る「妻の妹に遺言者の金融資産500万を遺贈することの負担と引き換えに、妻に毎月5万円を支払うとともに、妻を扶養しなければいけない。」と遺言書で定めることができます。
この義務を妻の妹が怠った場合、相続人の請求により遺贈が取り消される可能性があります。
遺贈が取り消されることもありえることになり、事実上、妻の面倒を見るという義務を法定上も効力をもたせることができます。

負担付遺贈の方法の注意点は、負担の内容をできるだけ具体的かつ明確にする必要があります。
例えば、「妻の面倒を見る」というのは抽象的であり、日中ほとんどなにもしなくても、面倒見ていることになるかどうかの争いになります。
また、負担付遺贈の負担は、遺贈で受け取る金額の限度までと定められています。
負担限度額を超えるときは、その義務は免除されます。

皆様、いかがでしょうか。疑問点、具体的にどのようになるか等のご質問については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。