事業承継を検討する場合、時々、議論になるのが後継者を他社に修行にだすべきか否かということです。
いずれがよいか、正解はないように感じます。
ここでは、修行に出す場合の留意点はいくつかありますが、その1つである「修行先が自社の身の丈にあっているか」について記載いたします。
身の丈とはどういうことでしょうか。
「大企業で活躍していた幹部を採用したが駄目だった」という話を聞くことがあります。
この場合、下記の原因があります。
一つは、会社のシステム(OS)の違いです。OSが違えば、どんなに優れたアプリケーションソフトも動きません。
前職で活躍できたのも、その土台となるシステムのによるものであることもあります。
二つ目は、会社の規模の問題です。
規模が大きければ、取扱量も多く、自ずと多くの情報や人が寄ってきます。
個人に集まっているのではありませんので、その会社を離れると情報が集まらなくなることが多々あります。
三つ目は、社内競争の有無です。
大企業では競争意識が強く、その分上司の指示に従順な傾向が強く、人徳はなくても、役職で組織は動きます。
しかし、中小企業では、会社や上司に逆らうことは少なくなく、肩書きでは人は動かないことが多々あります。
これらの条件があまりにも違いすぎると、学べるものは少ないということになります。