吉永公認会計士・税理士事務所
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役員報酬が低額の場合の役員退職金金額の設定

2022年5月16日

税法では、役員退職金の支給に関して、不相当な高額の部分の金額は、法人の費用(損金)の金額として認められないことになっています。
その過大性の判定にあたっては、①業務に従事した期間、②退職の事情、③同業同規模類似法人における役員退職金の支給状況等の要素に照らしたうえで、適正額を超える金額が、不相当な高額とされます。
といっても、上記の基準に照らした適正額を算定することは一般的に困難であり、功績倍率という方法(退職時の適正報酬月額×勤続年数×功績倍率)で算定していることが、実務上、定着しています。

この最終月額が適正でないこともありえます。
業績に基づく理由、役員の身分による理由(同族、非同族)、勤務形態に基づく理由(非常勤で低額、無報酬)によって、影響うけることがあります。
低額あるいは無報酬の役員に対して役員退職金を支給できないという非合理なものになってしまい、役員退職金を算定する方法は妥当ではありません。
このような場合、最終月額役員報酬を計算の基礎としない1年あたりの退職給与の額を算定するのがより合理的であると認めることになるという判例がでています。
実務的には、過去における他の役員の退職金支給実績を基礎又は参考にして、功績・貢献度、会社の業績、物価変動等を考慮して算定することになるでしょう。
税務調査対応として、役員報酬が低額である理由、背景、役員としての立場と責任を明らかにして、会社に対する功績。貢献の度合いを説明できるように準備しておく必要があるでしょう。

皆様、いかがでしょうか。疑問点、具体的にどのようになるか等のご質問については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。