業績不振で苦しんでいるときに事業承継のタイミングが重なってしまう企業もあります。
こうした状況であっても、長い歴史を誇る名門企業などは、地元の関係者も多く、本家の長男が半ば強制的に事業承継をしなければいけないケースもあります。
業績不振企業の建て直しから事業承継するケースでは、後継者に自社の危機を救わなければならないということから、当事者意識をもたせることができます。
この意識を支えとして、業績改善や債務者交渉などを乗り越えた場合、後継者が真の経営力を身に付けて、会社が大きく成長していく可能性もあります。
こうした業績不振は、表面的には、競争環境の悪化であったり、少子高齢化による需要の減少であったりなどの外的要因がその理由として挙げられます。
しかし、それよりもむしろ、そうした環境変化についていけない経営力の低下という内的要因が、真の原因である可能性があります。
内的要因であれば、経営力の強化とい自助努力によって業績改善を実現できる可能性があります。
後継者として取り組むべきことは、まずは、会社の現状と課題を正確に知るという作業です。
中小企業の中には、現状を知るといっても、そもそも社内に満足な管理体制が存在しないケースがあります。
こうした企業では、一見遠回りのようですが管理体制づくりからいつことが近道となることもあります。