居抜譲渡とは、前の医療機関が使っていた内装や医療機器等が残っている状態で譲渡することで、居抜物件ともいいます。
M&Aとの違いは、M&Aは稼働中の医療機関であることに対し、居抜譲渡はわずかな期間であっても休診している状態で譲渡します。
居抜譲渡の場合は患者情報も含めて譲渡する場合が多いですが、休診している期間があるため、患者に対してリニュアルオープンのお知らせを出す程度しかできず、患者が以前のように来院してくれる保証はありません。
ところで、患者情報も含めて譲渡と聞くと、個人情報なのに大丈夫なのか?と思われる方もいるかと思います。
個人情報保護法第23条においては、「合併その他の理由による事業の承継に伴って個人情報が提供される場合は、提供される側は第三者に該当しないので、個人データの提供が可能です。
このため、患者情報含めた居抜譲渡の場合は、契約書に次のような条項を入れたりします。
「個人情報保護法により、患者情報の取扱いについては、「合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合」(個人情報保護法第23条第5項第2号)に該当し、承継先の医療機関は第三者に該当しないため、患者の同意がなくてもカルテを引き継ぐことが可能であるが、実際の引継ぎにあたっては患者の意思を尊重するなど。甲乙共に誠意をもって対応するものとする。」
皆様、いかがでしょうか。疑問点、具体的にどのようになるか等のご質問については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。