M&Aを行うことが決まった場合でも、対象会社の資産、負債の細目的な内容が確定していないため、細かい取引の内容が決定していないのが一般的です。
とりわけ、諸債務(退職金、リース債務)の処理についていくらぐらいなるのか、さらにその債務について売り手側で弁済するのか、買い手側においてそのまま引き継ぐのかという点などは、最初の段階では決まりません。
また、現に営業している会社を買収する場合、話し合いしている時期から決済期間まで月々のランニングコストが発生するため、最終的な金額を合意できない場合があります。
しかし、その場合でも、買い手の資金負担の大枠等、基本的取引の内容は大体決まっていることはよくあります。そこで、細かい詰めはともかく、合意できた基本的な取引の枠組みについて双方で基本合意書あるいは覚書のような形で書面を取り交わしておくことが必要と思われます。
というのは、双方が基本合意書あるいは覚書に署名することによって、お互いにM&Aに対する相手方の積極的意思を確認することができますし、いったん決定した内容の蒸し返しを防ぎ話し合いを前に進めることができるからであります。これらの書面に法的拘束力を持たせることにより、売り手側が自らの財務内容さらけ出した後に買い手に逃げられたり、逆に、買い手側は、売り主がより有利な買い手に売却したりすることを防止することができます。
皆様いかがですか。M&Aは慎重に検討し、進める必要があります。疑問点、不明点等ございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせいただければ幸いです。
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