事業再生には。再生計画の作成と同時に、再生のためにどのような方法を選択するのか、ノンコア事業の整理の手法はどうするのか、コア事業の継続に必要なアライアンスを成功させ、資金を調達、資本充実するための手法はどうするのかといった点について、今回と次回に分けて記載します。今回は、①再生手続の選択、②ノンコア事業の整理手法について記載します。
①再生手続きの選択としてのスキームとしては、私的整理ガイドラインの利用、再建型の私的整理、法的的手続きであるん民事再生、会社更生の利用が検討が必要でしょう。迅速処理のため、プレパッケージ型の法的手続きの採用も検討課題となります。中小企業の場合は、再建型の私的整理、例えば、中小企業再生支援協議会の活用による金融機関を主な対象とした私的整理、または弁護士の介入による私的整理等が勧められるでしょう。私的整理では、公正さ、平等さが期待できない場合は、仕入先などの一般債権者をも巻き込んだ民事再生手続きが採用されます。ベンチャー企業の場合、売上が計上される前の段階にある企業、例えば、研究開発型企業の場合、債務があれば私的整理になりますが、一般的には、資金調達は債務でなく資本でしょうから、その場合は、増資によって資金調達するしか方法はないでしょう。その時に、スポンサー企業が変わる場合は、減資や営業譲渡等がとられます。
②ノンコア事業の整理方法としては、分割・株式譲渡、営業譲渡、MBO(社長や役員が株式を親会社やオーナー等から買い取り、独立する)等の方法があります。これらのうち、最も、キャッシュフローの大きい方法によって処分することになります。
皆様いかがですか、次回は、コア事業継続のためのアライアンス、資金調達、資本充実について記載いたします。企業再生、清算の手続きは、相手が伴うことがありますので、いろいろと困難な面に遭遇します。疑問点・不明点等ございましたら。お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
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