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国際会計基準(IFRS)導入の課題

2010年12月19日

企業会計審議会が国際会計基準(IFRS)導入の中間報告だしてから、約1年半が経過した。国内でIFRSブームになっている間に国際情勢は大きく変化しています。会計基準共通かの鍵を握るアメリカが、積極論から慎重論になりつつあります。IFRSの組み入れを検討中だが、強制適用に一気に進む雰囲気は薄れてきました。他方、欧州連合(EU)も時価会計の分野を中心にIFRSと距離をおきはじめてきました。日本が、「他国に遅れをとるな」とIFRS対応に拍車を掛ける情勢でなくなってきました。今後は、金融危機後の状況を含め日本にとって最適な戦略を検討しなおす好機の到来かもしれません。

まずは、IFRSと我国の会計基準のコンバーションにおいて、単体決算(個別財務諸表)をどう取り扱うか、元々、IFRSは連結決算を想定して作られております。EU主要国はIFRSを連結決算のみに用い、単体決算は自国基準という連・単分離型であります。ところが、中間報告が唱えた「連結先行」論だと、日本は、いずれ連・単同一の基準となってしまうようにも受け取れます。税務や慣行に密接に関係する単体基準でIFRS色が強まることには、関係者の間では、大きな抵抗があります。

このため、IFRSの利益指標である「包括利益」の導入は、2011年3月期の連結基準に限られ、単体への適用は見送られることになりました。もし、IFRS導入は、連結基準作りと割り切るならば、経済界の不安が軽減される面がります、一方、連結決算行わななず、単体決算しか行わない企業との比較可能性をどうするかという問題はありますが。

現在の世界情勢をも踏まえ、「国際」の名が付くルールだからと、欧米との差異を日本の不備とみなし、相手にすり寄るような発想では、国益を損ない、グローバル社会への貢献にもならないかもしれないことを意識する必要があるかもしれません。

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