経営が行き詰まり、再生するには、どうすれば再建できるか、再生要因を明確にする必要があります。それには、財務悪化要因をあぶり出し、その悪化要因を除去する必要があります。財務悪化要因を類型化すれば、次のようになります。
①売上不振、②コストアップ、③過剰設備投資、過剰人員、④事業以外の投資失敗、に分類できます。
①②による利益減少あるいは損失発生は運転資金の減退にゆながり、借入金の増加となり資金破綻につながります。③④は投資効果が発揮できず投資資金相当の借入金が負担となる場合です。①②③が、いわゆる事業自体の悪化です。③の過剰投資にしても商品・サービスの販売見込みの誤り、あるいは、生産力の増強にみあった販売力をつけなかった場合等によるものであります。それに対し、④は、自称以外の悪化です。したがって。④の場合は、不良投資資産の売却収入と事業による利益によって、借入金の返済が見込めれば再生可能です。しかし、事業の利益をはるかにこえる投資を借入金で行ってしまうことによる破綻危機であり、債務免除なくしては再建はありえない場合が多く、私的整理では困難となり、法的整理、つまり、民事再生、会社更生の申立が多く出ています。
事業による悪化の場合は、事業構造改革、いわゆるリストラが必要です。過剰投資が財務悪化を招いていたならば、一度過剰設備を売却して縮小均衡を計ることが再生にほかなりません。借入金の返済スケジュール、あるいは、債務免除をうけなければ再生できない場合もあるでしょう。
このように、再生計画の策定としてはまず財務悪化要因の明確化が必要であり、事業悪化の場合には、一度過剰設備を売却して縮小均衡を図るのが再生の第一歩であります。
皆様いかがですか。財務悪化要因の分析において、いろいろと困難な面に遭遇することもあるでしょう。疑問点・不明点等ございましたら。お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
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