最近は株価が低迷しています。アメリカ経済の先行きが不透明になってきたのを契機に、先月から急激な円高になりました。円の独歩高となり、投資家を不安に陥れ、株価の下落を助長しました。日本は政治、経済、外交面で多くの課題を抱えています。それにもかかわらず、円が買われているのはなぜでしょうか。
第1に、日本の政策当局のデフレに対する姿勢からして、海外との金利差は縮小する可能性が小さくありません。第2に、自動車、電機等の輸出産業の国際競争力は、まだまだ高いです。第3に、各主要国が、様々な問題点を抱えているため、消去法で円が買われています。
今、円相場はこう着状態であります。中長期的には、円が大幅に上昇する要素は少ないでしょう。高齢化に伴い、労働力人口の減少、この影響で貯蓄率が低下し、潜在成長力も低下します。いずれは、円は実力相応の水準になるのではないでしょうか。
株式相場の低迷は、企業の責任もあるでしょう。経営戦略が乏しく、多くの企業の1株当たりの利益成長率が鈍化しました。年金等の機関投資家は、、日本の魅力の薄れた株式の保有比率を大幅に引き下げました。
企業は、円高のメリットの面を活かし、海外の成長企業の買収等を検討してもいいのではないでしょうか。投資家が歓迎する、自社株の買い入れ償却をも進めてもいのではないでしょうか。
上記のことは、起業家や経営者にとって避けることのできない状況です。これを経営計画(経営戦略)策定の際の外部環境として認識する必要があります。疑問点等ございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。