グローバル化の流れは避けられない。日本はその流れの中に積極的にのっていくべきであることは相違ないが、戦略的に進めなければならない。いろいろ考えさせられるのは、国際会計基準(IFRS)の適用問題である。欧州連合は採用を義務付けられている。日本の上場企業は連結財務諸表において、2010年3月期から任意適用となり、12年には15年頃から強制適用するか判断することになっています。
日本が採用してきた会計基準と次の2点が大きく異なる。まず、利益の概念である。日本では、売上から費用を差し引いたものであるが、国際会計基準では、企業の純資産の増減額としての包括利益が中心になる。もう一つは、財務諸表の作り方である。今は、細かく決められたルールに従えばいいが、国際会計基準では、一定の枠組みの中で、企業がベストと考える財務諸表を選択していく必要があります。
国際会計基準の適用をめぐり、利害得失が充分に関係者に理解されているといえるのでしょうか。日本は株式保有額大きく、株式市況の変動で大きく利益が変わることになります。税制との関係も論じられていません。会計システムの変更にも大きくコストが発生します。このような利害得失を十分理解して、移行スケジュールが決定しているといえないのではないでしょうか。この問題は、経済活動全体に大きく影響するものであり、経済戦略の一環として議論しなければいけないでしょう。
皆様いかがですか。会計は経済戦略とも関係あります。疑問点、不明点等ございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせくださいますようお願いします。
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