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設備投資の効率、設備投資効果計算

2010年7月16日

企業は、将来のリターンを求めて設備投資や研究開発等さまざまな投資を行います。経済合理的な投資を行うために、投資対象の価値を測定することをキャピタル・バジェッティング(capital budgeting)と言います。キャピタル・バジェッティングの代表的手法として、回収期間法、投下資本利益率法、正味現在価値法、内部利益率法があります。回収期間法は、投資額/毎年のキャッシュ・フロー=回収期間を求め、これが短いほど有利な投資案であると判断する手法です。また、投下資本利益率法は、毎年のキャッシュ・フロー/投資額=投下資本利益率を求め、これが高いほど有利な投資案と判断する方法です。これらの二つの手法はわかりやすいですが資金の時間価値を考慮しない等の欠点があります。

①資金の時間価値 1,000,000 円を持っており、確実に年利3%で運用できるとします。現在の1,000,000 円は1 年後の1,030,000 円と同じ価値を持ちます。また、1 年後の1,000,000 円の現在価値は次の式により求められます。1,000,000 円/(1+3%)=970,873 円
正味現在価値法、内部利益率法は資金の時間価値を考慮して投資対象を評価します。

③正味現在価値法と内部利益率法 正味現在価値法は、資金の時間価値を考慮したキャッシュ・フローの総和から投資額を差引いた金額である正味現在価値(NPV:Net Present Value)を計算して、NPV がプラスになれば投資価値があり、この値が高いほど有利な投資案と判断します。n 年目のキャッシュ・フローをCFn、割引率をr、投資額をIとします。投資してから1 年後のキャッシュ・フローの現在価値は、CF₁/(1+r)です。2 年目以降も同様に計算され、正味現在価値(NPV:NetPresent Value)は次の式で表されます。 NPV={CF₁/(1+r)}+{CF₂/(1+r)²}+・・・{CFn/(1+r)n}-I  また、内部利益率法は、NPV=0を満たすr(内部利益率IRR:Internal Rate of Return)を求めて、これが一定の利回りを超えるのであれば投資価値があり、この値が高いほど有利な投資案と判断します。

皆様、いかがですか。設備投資は大きな意思決定であり、慎重に行う必要があります。財務体力が弱い、創業したての起業家、ベンチャー企業、中小企業にとっては、大きな痛手となることもあります。それゆえ、上記のことを意識して、慎重に行う必要があります。疑問点等ございましたら、お気軽に当事務所へお問い合わせください。

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