吉永公認会計士・税理士事務所
大阪市北区豊崎3-20-9 三栄ビル8階801A号室

今日のワンポイント
One Point

HOME > 今日のワンポイント > 同族会社の役員報酬の損金不算入(行為計算否認規定適用例)


トピックス


トピックス

同族会社の役員報酬の損金不算入(行為計算否認規定適用例)

2010年6月18日

今日は、同族会社の役員報酬支払いが損金不算入とされ、結果、企業の課税所得とされ税負担が増額したケースを紹介しましょう。

A社は、代表者である甲の長男乙に対して支給した役員報酬について、裁判所は否認しました。

支給された役員報酬は、乙が非常勤取締役として同社に在任時の期間に対応して支給されたものであり、その額は1年に240万から275万程度であり、非常勤取締役に支給される程度のものと考えれば、大きな金額ではなく課税上も大きく問題となるものではありません。しかし、乙は取締役の在任時に海外へ留学中であり、月に1度現地の状況まとめてレポート提出し、年に10日前後取締役会に出席し、その他は取締役会の持ち回り決議に回答票を送付していたものであります。また、振込口座は乙の海外口座ではなく、国内口座に振り込まれ、その金員を乙に対し、甲あるいはその家族が送金していたものでものであります。これは、乙が取締役になる前と同様な方法で送金されていたものであります。かくして、当該役員報酬は役務提供の対価として相当でないと考えられるという見解が示されています。当該報酬は、不相当に高額、甲に支給ずべきものを仮装して支給、同族会社の行為計算否認の対象、寄付金に該当するということで、当該役員報酬の損金算入を否認したものであります。

役員報酬、特に同族会社の役員報酬の決め方には留意が必要です。

経営支援で実績のある大阪の吉永公認会計士・税理士事務所まで

吉永公認会計士・税理士事務所の税務顧問サービスにお任せください。