設備投資は、大きな資金拠出を伴うものであることから重要なものであります。経営基盤がまだ盤石になっていないベンチャー企業・中小企業にとっては失敗すると大きな影響があることもあります。それゆえに、設備投資は思い付きではなく、慎重に検討する必要があります。では、具体的にはどのようなプロセスを経る必要があるのでしょうか。下記のプロセスを経る必要があります。
①設備投資計画を立案しこれに基づいて行う 会社の利益計画、生産計画にも連動していることから大きな設備投資は、会社の将来ビジョンを描いた中期経営計画(事業計画)の一部として設備投資計画を作成し、これに基づいて行う必要があります。これには、修繕維持、更新の計画をも盛り込む必要があります。
②資金の裏付けを明確にすること 大きな資金拠出を伴うことから、資金手当てをどうするかも重要であります。自己資金で賄うのか、増資あるいは借入金で賄うのか、資金繰り計画の中でシュミレーションする必要があります。借入金で賄う場合は、その返済計画を盛り込んだ上で資金繰り計画を立案する必要があります。税額控除、助成金等の優遇措置があるかも確認して、資金繰り計画の立案をも行う必要があります。
③具体的に設備投資の経済性をシュミレーションすること 具体的な投資案件の採算性をシュミレーションする必要があります。留意点は利益ではなく、資金的にどのようになるかがポイントですので、キャッシュ・フロー・ベースで採算性あるか検討しなければなりません。具体的には、その設備投資にいくらかかるか、修繕維持費、最後の廃棄にどのくらいかかるか、この投資によりどのくらい収益が高まるか、あるいは費用を削減できるかということ等、資金のキャッシュイン、キャッシュアウトを把握し、採算性を判断しなければなりません。具体的には、資本利益率法、正味現在価値法(例えば、現在の10万円と将来の10万円は同金額でも、金利を勘案すれば価値は異なりますので、将来収入を現在価値に割り引く)等、様々な方法がさだめられていますので、これらの方法に基づき算定することになるでしょう。
皆様、いかがですか。設備投資は大きな意思決定であります。大失敗すれば、一般的に財務体力が弱い、創業したての起業家、ベンチャー企業、中小企業にとっては、大きな痛手となることもあります。それゆえ、上記のことを意識して、慎重に行う必要があります。疑問点等ございましたら、お気軽に当事務所へお問い合わせください。