会計は制度として、法令、基準等で定められています。しかしながら、現在の複雑化したビジネスに会計制度自体が完全に対応しきれていません。それゆえ、実態はなく、違法ともいえないような会計処理を行い、赤字と想定された決算を黒字にしてしまうことも可能であります。第三者にとっては好ましいものではありませんが。
具体的には、例えば、下記のようにして行ないます。 ①人件費やその他の費用を資産計上に切り替える 人件費やその他の経費を理論付けして、無形固定資産や繰延資産に振り替えて、当期の費用を次期以降の費用にする。
②会計処理方法の変更 1つの事実に対して2つ以上の会計処理方法が認められている場合があります。このような場合、当期の費用負担が少なくなる方法に変更する。
③翌期の売上を当期の売上に計上する 翌期に出荷、販売予定のものを値引販売あるいは販売代金の回収条件を変更することにより、当期に販売するようにする。また、関係会社を用いて、都合のよい出荷を行い、売上を計上するとういうこともあります。
このような方法は、実態がないため、違法ではないとはいえ、公認会計士の監査という立場からは、認めないという見解を私なら行います、しかし、監査でなければ、認めないとまではいえません。ただ、企業が、将来羽ばたいて、多くの第三者に認められたい、第三者から資金調達行いたいという方針なら、将来、公認会計士による決算内容のチェックをうけることがありますことから、このような処理は好ましくはないと指導いたします。このような処理をいたしますと、第三者から資金超調達等行うときに、公認会計士が決算内容をチェックした場合、決算内容が大幅に変わって、悪化してしまい、資金調達等が予定通りにできなくなるということを避けるためにでもあります。